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アローズ通信 vol_56「沖縄県の石碑 【石敢當】 ご存じですか?」
- 2024.12.2 | メールマガジン
こんにちは、アローズです。
師走に入り、寒さも本格的になってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年は11月半ばまで半袖でも過ごせるほどの温暖な気候でしたが、その暑さを満喫すべく沖縄へ行ってまいりました!
街を歩いていると、沖縄のお墓の大きさにも驚かされながら、必ず目にするものがありました。
それが「石敢當(いしがんとう)」という三文字の石碑です。
お察しの通り、これは沖縄の文化に深く関わるもので、今回はその石碑について少しご紹介させていただきます。
沖縄における「石敢當」とは、魔除けの役割を果たす石碑です。
古くから「マジムン」と呼ばれる魔物を撃退すると沖縄では伝えられており、道端や家の近くで見かけることが多く、
車庫の近くに「石敢當」の文字を彫った石が埋め込まれていることもありますし、お土産屋さんでも目にすることができます。
沖縄=シーサー=魔除けというイメージが強かったのですが、石材業に携わる者として、シーサーよりも「石敢當」の方に興味が湧いてしまい、早速調査してみました。
「石敢當」という名前の由来は?となりますが、実は中国の福建省から伝わったもので、琉球時代から交流があり、その名前は、強い武士の名前にちなんでいるとも言われています。言い伝えによると、石敢當という名前を見ただけで「マジムン」は驚き、砕け散ってしまうそうです。
さて、その「マジムン」とは一体何なのでしょうか。
沖縄の民間伝承に登場する妖怪や怪物で、悪霊や病気、災害の象徴とされることもあります。面白いことに、「マジムン」は直線方向にしか進めないという特性を持っています。そのため、T字路やY字路にぶつかると、そのまま道を進めずに家に入ってきてしまうのです。
これを防ぐために、T字路やY字路の角に「石敢當」を置くことで、マジムンの進入を防ぐというわけです。
そこで「石敢當」は、まっすぐしか進めない「マジムン」にとっては壁のような存在です。
交通安全や厄除けの意味を込めて、T字路やY字路、さらには三叉路や十字路、車庫の入り口などに置かれることが多いです。
私が沖縄を訪れた際も、ご家庭の壁や石垣に「石敢當」の彫刻が埋め込まれているのを目にしました。
ちなみに、鹿児島県では「せっかんとう」と呼ばれることもあり、地域により読み方に違いがある場合もあります。
また、「石散當」などと書かれることもあるようです。
なじみの少ない「石敢當」ですが、石材に彫刻し、石材店様の店舗や事務所の前に「石敢當」を置いてみるのも面白いのではないかと思います。地域や伝統を感じさせるアイテムとして、話題づくりにもなるのではないでしょうか。
熊本県では、まだ見かけたことがありませんが、旅行好きな私はこれから各地のT字路やY字路にちょっと注目して、どこかで色々な「石敢當」に出会えると楽しいかなと思っています。
皆様もお出掛けの際に地域ならではの物を探してみられはいかがでしょうか?
旅の楽しみの一つになるかもですね。
今後ともアローズ通信を宜しくお願いいたします。
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