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vol.3:おすすめ絵本のご紹介!
- 2020.11.15 | メールマガジン
こんにちは。アローズです。
今回は皆さまにお勧めの絵本をご紹介します。
絵本!?と思われる方もいらっしゃると思いますが、「いのちのまつり ヌチヌグスージ」という小学生低学年向けに描かれた絵本です。
佐賀県出身の方の作品で、2004年に自費出版という形でこの作品は出版されました。
一部の方にしか読まれないはずの絵本が東京のある出版社の目に留まり瞬く間に全国に広がりました。
今では小学校3年生「道徳」の副読本とされ、海外でも読まれております。
今年の10月で第49刷のロングセラー絵本です。
舞台は沖縄。
「ヌチヌグスージ」とは沖縄の方言で「いのちのお祝い・いのちの祭り」という意味です。
少年コウちゃんのある夏のお墓参りでのお話です。
お話を作った草場一壽氏は佐賀県出身。挿絵を描かれた平安座資尚氏は沖縄出身の方です。
お二人とも九州の方ですね。
「ご先祖様とは何?」
コウちゃんの素朴な疑問から、ご先祖様の大切さやいのちのつながりについて物語は展開されています。
ここで少しあらすじをご紹介します。
いのちのまつり ヌチヌグスージ
作:草場一壽(クサバカズヒサ) 絵:平安座資尚(ヘイアンザモトナオ)
~あらすじ~
「ぼうやにいのちをくれた人は誰ね~」
「それは・・・・お父さんとお母さん?」
「そうだねえ。いのちをくれた人をご先祖さまと言うんだよ。」–
「ねえ。おばあさん。ぼくのご先祖さまって何人いるの?」
コウちゃんは、指をおって数えることにしました。
すると・・・
絵本の後半には子供が喜ぶ素敵な仕掛けが用意されており、読み聞かせなら、読んでいる大人自身も子供と一緒に楽しめる内容ではないかと思います。
実際に読んでみると改めて考えさせられる事が沢山ありました。
「命をくれた人がご先祖様」という考えは当たり前の事ですが改めて絵本の中に出てくると大人の私たちもハッとさせられますね。
自分の両親もご先祖様という事になるという考えも新鮮です。
個人的には顔の知らないもっともっと昔の人を漠然とご先祖様なんだ・・という認識でいました。
また、数え切れなくくらい多くのご先祖様によって今の自分があるという事に主人公が気づく瞬間があります。
この数え切れないご先祖様が一人かけていても今の自分が成り立たないという事です。
奇跡的なお話。
お墓がパワースポットと呼ばれる所以になる考え方ですね。
私たちのような石材関係者がこの絵本を読むとついついお墓と結び付けて考えてしまうのですが、本を購入された方にはご友人の出産祝いにこの本をプレゼントされた方もいらっしゃるようです。
小学生の道徳本として採用されているのは有名ですが、幼稚園・保育園ではもっと小さい子供たちへの読み聞かせとして活用されています。
本の内容がそれだけ素晴らしいというのは勿論ですが、ご先祖様に対してや、命の繋がりについて考えることを大切に思っている人が世代を超えて、国境を越えて沢山いらっしゃるんだと感じました。
今年49刷という事ですので今後も読み継がれていく絵本です。
そう考えるとなんだか嬉しくなりますよね。
石材店さんの展示場に石材関係の本やお墓の写真集等が置かれているのを良くみかけますが、このような絵本を1冊、専門書の中にそっと飾ってみるのも良いかもしれません。
アニメーションも秀逸で毎年お盆前にはNHKの「テレビ絵本」として紹介されています。
夏川りみさんの優しい沖縄方言や、南国独特な軽快な音楽が絵本の世界を見事に表現しています。
アローズ通信、今後もご愛読よろしくお願いいたします。